2013年4月26日金曜日

宮島大会レポート(ラン~フィニッシュ編)

第29回宮古島大会、バイクフィニッシュからランフィニッシュまでのレポートです。

 
バイク120km頃からは、そのあとに来るランに備えて相当バイクの負荷を下げて備えてきた。
宮古島は今回で4回目の出場になるが、考えてみるとランが一番キツい。当たり前だが、SWIM&BIKEを終えてからのフルマラソン。普通にフルマラソンを走るだけでも相当キツいのに、疲れた状態でのフルマラソン。楽なはずがない。(でも、それでも宮古島は楽しいんだけどね。)

1回目出場の第25回大会は、約4時間30分
2回目出場の第26回大会は、ランでつぶれてしまい、約6時
3回目出場の第27回大会は、左膝が痛くなり、17km付近から歩いてしまい、約5時間30分
と、それぞれ散々な結果となってしまっている。

バイクで抜いた人たちに、ランで軽々と抜かれてしまうあの悔しさ、だんだんと、しかもゆっくりと背中が遠ざかっていくのに、ついていけないあのもどかしさ。その気持ちを少しでも味わわずにレースを楽しむためには、ランを強化するしかない、ということで、この冬はなるべくランに重点をおいて練習してきたつもり。(というと聞こえはいいが、裏を返せば寒いのに外で自転車に乗る気になかなかなれなかったので、結果的にランの比重が高くなった、というのが本当なのだが・・・。)
今年のランの目標は、4時間30分。第25回大会のランに近いペースで走りきることができるようにしたい。

と思ったのだが、Bikeを降りて、ラックまで行こうと歩き出した途端、腰に差すような激痛!
もともと椎間板ヘルニアが4か所所見される腰痛持ちの体なので、腰が痛いのは日常的なのだが、今回のこの激痛は、脚を前に出した途端に「クタクタ・・・」と体が崩れ落ちてしまうような鋭い痛み(>_<)

取りあえずトランジットエリアのトイレに並び、その間に必死で腰をマッサージする。背骨と背筋の間に指を入れ、神経と飛び出しているヘルニア部分が干渉している箇所が改善されますように、と祈る。

トイレをすませ、ランスタートラインを超える。トランジットタイム5’50”。
さぁ、長い楽しみの始まりだ!

と、・・・腰に再度、激痛(>_<)・・・ヤバい・・・

スタートしてすぐのエイドにて立ち止まって、腰をしっかりマッサージする。今のままでは走ることはおろか、歩くことさえままならない。この腰痛よ、消えてくれ!

体勢を工夫しながら背中をモミモミしていると、背骨と右背筋の間に指を押し込んだ状態で動けば、痛みがかなり軽減されることを発見した。よしこれならいける!50mそのまま歩き、200mそのままヨロヨロと走り、様子を見ながら腰から手を放す・・・OK大丈夫、これで走れる!
椎間板ヘルニアによる腰痛を持っている方には理解していただけると思うが、腰は常に痛く重く、さらにちょっとしたきっかけで急に悪化したり、またふいに好転したり、ということがよくある。今回もまさにその例で、すぐに痛みが改善されたから良かったものの、痛みが引かなければまったく走れなくなるところだった。

慎重に下り基調の最初の2kmを走る。走るというか、キロ7分程度で様子を探る。何となく走ることができるなぁ、という手ごたえを感じてくる。にぎやかな商店街のあたりまで来て、よし、走ろう!とモードを切り替え、手前の女性を追い抜く。
よし、スタートだ!

当初はキロ6分程度をキープする作戦。宮古島のランは、スタート時にはエネルギーと気力の貯蓄がすでに使われてしまっているため、初めから飛ばして脚が売り切れてしまうと、そこからがつらい旅になってしまう。したがって前半は、仮に調子が良くても飛ばすのを控えて、後半のスタミナ切れになる時をできるだけ遅らせる、という作戦で臨む。
市街地を過ぎ、消防署を左折する。5kmのラップタイムは30分10秒。キロ当り6分程度。スタート当初の腰痛によるタイムロスを入れると、少し速すぎかも。
ただ、ランニングにはリズムがあって、気持ち良いペースやピッチがその時々で変わってくる。キロ5分30秒で気持ち良く走れているところを、わざわざキロ6分に落とす必要はないので、そのままのペースで走ることにする。
袖山入口の交差点を右折し、追い風に背中を押されながら県道78号線を進む。5〜10kmのラップは、28分25秒。快調^_^。もう少しペースを上げたい衝動に駆られるが、今までの練習量から推定して、最後までこの状態が続くとは考え難いので、自重することにした。

この辺りで、トップ選手とすれ違う。ゼッケン1の 選手だ。2位の河原選手とすれ違ったのは、その後約5分後。このタイム差では、河原選手の逆転は難しいかもしれない。

10〜15km区間は、アップダウンがあって、全体に上り基調。追い風もあまり感じられず、少し疲労を感じ始める。10〜15km区間のラップは、少し落ちて30分17秒。ペースとしては十分だが、落とそうとしていないのにペースが少し落ちてきたのが気になる。そろそろ疲れてきたかな?
この頃までには、有力選手や有名選手、ブログで上位の方など、多くの選手とすれ違う。自分もいつかもっともっと練習して、100位以内のシードに入りたいなぁ…なんて、ボンヤリ考えながら走る。

城辺のエイドに差し掛かった。

 

と、ここで、宮古島でお世話になっている方の妹の方が、わざわざプラカードをつくって声援を送ってくださっていた。ありがたい。更に、そこから数百mのところでも、その方関係の女性の方4〜5人が、ここでもプラカードを掲げて応援してくれた。嬉しい。ありがたい。思わずペースが上がる。15〜20kmのラップタイムは28分41秒。

だが、気持ちよく快調に走ることができたのは、18kmくらいまで。この辺りから膝や足首の関節が軋みだし、だんだんと走ることが辛く感じられるようになってくる。20kmから折り返しまでのラップタイムは、5分28秒、つまりキロ約5分だったが、折り返しから25kmまでの3.9kmのラップタイムは、26分40秒。いきなりキロ当り6分50秒に落ち込んでしまった。
もちろんこのタイムの中には、折り返し直後のエイドストップの時間も含まれているが、折り返しからペースが落ちてきたのは、自分でも感じられた。

今までの経験からすると、ランを折り返してから32〜3kmまで、個人的な感覚でいうと、丸富マンションを過ぎるまでの10数キロが一番辛く感じる。もちろん35キロ以降の方が体力的にはキツいが、ラストの数キロはみなさんの応援で力をもらえる。なので、ここからは、落ちていく体力をどこまで気力でカバーできるかがカギとなる。まずは自分に「まだ脚は売り切れていない。まだ頑張れる。」といい聞かせながら走る。25〜30kmのラップタイムは、32分11秒、キロ当り6分26秒。

 

30kmを過ぎて中休み給油所辺りで、家族の応援を受ける。4才の息子と300mくらい並走する。息子が思い切り走ると、もうついていける状態ではない。息子の顔が得意気で、カワイイ。

30〜35kmのラップタイムは、32分48秒、キロ当り6分33秒だった。
 
35kmの関門を過ぎると、あと7km。ここまで来ると完走はほぼ確信できる。ところがこれで気持ちが緩んだのか、膝や足首、そしてハムストリングスなどが悲鳴を上げ始め、ペースがガクッと落ちてきた。歩きたくてたまらなくなる。でもここまで順調なペースできているので、歩きたくはない。歩いてしまうとサボってしまったような気持ちになり、何となく後味が悪い。なので、歩かないように頑張った。
県道78号線を左折し、袖山入口を左折した辺りで、いよいよ脚が売り切れた感覚になった。ペースも、歩くのとあまり変わらないような程度に落ち込んでしまう。
第1ランを加算すれば、このあたりでフルマラソンの距離を走ったことになる。そう思ったら、ますます脚が重くなる。次々に後から来る選手たちに抜かれ始める。
宮古消防署の前を過ぎ、通りがにぎやかになり、沿道の応援の方々が多くなってくる。声援に応えたり、子どもとハイタッチを交わしたりしながら走る。すでに気力も使い果たした感があり、ペースは落ちたまま。多分、キロ当り7分30秒程度のペース。完走できそうだからいいや、とダラダラと走る。
 
モードが゙切り替わったのは突然だった。抜いて行った選手が応援の方(既にゴールした選手の方)としゃべっていて、「あと2kmだ、頑張ります。」と言った言葉が聞こえた途端、「頑張る」という言葉が胸に刺さった。
「今回、まだ頑張ってないじゃん。」
練習量が少なかったため、前回のように膝が痛くならないために、今回は慎重になりすぎていた。肉体的に限界が来てからはそれ以上頑張ろうと気力を振り絞ることもなかった。こなままではいけない。フィニッシュした時に、頑張ったという充実感を得たい!
ということで、残りの2kmを頑張ることにした。
頑張るといっても、すでに体力的にはギブアップの領域に達しているのでそれほどは速く走ることはできない。でも現状で可能な限りペースを上げた。多分キロ当り5分よりももう少し早いペース。
さっきまでに抜かれた方々を、2kmの間に20人くらい抜き返した。心の中で、プチ満足感を得ることができた。
競技場に入る。大勢の人たちでごった返している。第2コーナーの手前で家族が待ってくれていた。
家族みんなで並走する。息子が例によって全力で走ろうとする。それを制止しながら、手をつないでゴールする。自分の時計で、10時間45分9秒
 
終わった。メダルとバスタオルをかけてもらう。フィニッシャーポロシャツをいただく。アンクルバンドを外してもらう。家族にお礼を言って、芝生に座り込む。
しばらく立てない。
最後に少しだけ頑張ることができて良かった。気持ち良かった。
無事に帰ってこれて、良かった。
4度目の「家族ゴール」ができて、良かった。
少しだけど、頑張って練習してきて良かった。
 
 

 


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